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スピッツ「スピッツ」(1991年)

 アルバム感想文、今回はめちゃめちゃ有名であろうバンド、スピッツの1stアルバム「スピッツ」。
 正規メンバーはVo.Gt草野マサムネ、Gt三輪テツヤ、Ba田村明浩、Dr崎山龍男の4人。
 ところで、スピッツって一般的には一体どんなイメージを持たれているのだろうか。ロックバンド、というよりは、フォークソングを歌ってる人たち、って感じだろうか。コブクロやゆずみたいな。
 まあそのへんは置いといて、今回のアルバムのジャケット、ぶっちゃけダサい。

すぴっつ

 ひとまず感想は続きより。今回はちょっと長めです。
 


 ①ニノウデの世界
 自分たちがロックバンドであることを示すかのように、シンプルながら激しいギターのサウンドでアルバムの始まりを告げる「ニノウデの世界」。ボーカルであるマサムネさんの少年のような無邪気な歌声と、どこか性的なものを感じる歌詞のギャップが素敵。

 ②海とピンク
 ギターリフが可愛い。《ちょっと君を見て 海を見て あくびして》という世界観も可愛い。
 そんな曲だからこそか、《毒入りのケーキのカケラ》というフレーズが大変目立つ。普通「毒入り」と「ケーキ」をくっつけようなんて思わないだろう。

 ③ビー玉
 曲の雰囲気がゆるいせいでうっかり聴き流してしまいそうになるが、歌詞がだいぶ暗い。最初から《おまえの最期を見てやる》なんて歌ってるのだ。
 ところで、《タマシイころがせ チィパ チィパ チィパチィパ》という歌詞があるが、曲名のビー玉とはこの《タマシイ》のことで、曲中でそれを《チィパチィパ》舐めてるのかもしれない。
 ちなみに私は昔ビー玉を舐めたことがあるが特に味はしなかった。

 ④五千光年の夢
 明るめの曲調で、2分43秒と短い曲なのだが、歌詞は「長い時間」のことを言っているように感じる。生と死に関係した歌詞のようにも思われるが、実際どうなのかは分からない。
 そして、《ゆがんだ天国の外にいて》というフレーズがまたマサムネさんの言葉のセンスを感じさせる。「天国」と「ゆがむ」という言葉を並べることがあなたにはできるだろうか。しかもそれだけでなく、そんな天国の「外」にいるのだ。一体どこにいるのか、もはや想像もできない。

 ⑤月に帰る
 「五千光年の夢」と似たようなテーマを歌っているように私は思えた。それでは、「月に帰る」とは一体どういうことだろうか。
 演奏の方もなかなか良い。Bメロのドラムといい、(少し地味に感じるかもしれないが)アウトロのギターといい、この曲はライブで聴いたらきっとかっこいい。

 ⑥テレビ
 ギター、アコースティックギター、ベース、ドラムの順に音が重なっていくイントロが楽しい。そして《君のベロの上に寝そべって 世界で最後のテレビを見てた》から始まる歌詞の世界観、わけ分からないのに「ふーん」だけで無視できない何かがある。

 ⑦タンポポ
 《僕らが隣り合うこの世界は今も けむたくて中には入れない》と、疎外感を感じるような歌詞から始まる、アルバム中で雰囲気の特に暗い曲。曲中の《僕》は、動けないまま、何度も踏んづけられては起き上がるタンポポに、自分を重ねているのかもしれない。

 ⑧死神の岬へ
 作曲がギターのテツヤさんという珍しい曲(だいたい作曲はマサムネさん)。《愛と希望で満たされて 誰もがすごく疲れた》という、冒頭の歌詞に、ほほう、と唸らされた。愛と希望で満たされているのに疲れるなんて普通は思わないだろう。
 途中からキーボードが入って、曲が進むにつれてキラキラしていく曲展開が面白い。

 ⑨トンビ飛べなかった
 激しくない曲が続いた後にくる、パンク系の曲。ここでぐっとアルバムのテンションが上がって気持ちいい。
 これまで暗めな歌詞も多かっただけに、《ちょっとたたいて なおった でもすぐに壊れた僕の送信機》という歌詞にクスッとなる。マサムネさんの感覚は、生と死の果てからお茶の間のリモコンまで、どこにでも通じているのかもしれない。

 ⑩夏の魔物
 後に2ndシングルとしてリカットされたらしい、大名曲。イントロで一瞬ギターだけになるところの音に胸がきゅっとなる。メロディがキャッチーで、《会いたかった》と繰り返すサビもとても耳に残る。しかしそんなことはどうでもよくなるくらい、マサムネさんの歌がいい。言葉の一つ一つが息づいているように聴こえてくる。

 ⑪うめぼし
 「夏の魔物」の世界観から一転、《うめぼしたべたい》と食卓の方まで戻ってくる。「夏の魔物」が、スピッツにおいて自分たちの世界に引きずり込んで私達の感情を揺さぶる曲なら、「うめぼし」は彼らなりの言葉と音でこちらの世界に寄り添ってくる曲だろう。《星占いで全てかたづけたい》なんて、ほんとにそう思ったことはなくても、何か似たようなことを考えたことは誰しもあるのではないだろうか。

 ⑫ヒバリのこころ


 スピッツの記念すべき1stシングル。疾走感のあるイントロ、リズム隊ががっしり土台を組んだAメロから、サビでゆったりするという構成のとても良く出来た曲。デビュー曲からこのクオリティ、やはりすごいバンドだ。
 《いろんなことがあったけど みんなもとに戻っていく》という歌詞が、切なく思えるのは私だけではないと思う。それでも《僕らこれから強く生きていこう》と前向きな曲なおかげで、気持ち良くアルバムを聴き終えることができる。


 このアルバムを聴いてまず思ったのが、「やっぱりスピッツいいな」だ。しかし1stアルバムの感想に「やっぱりいいな」と出てくるのも、なかなか面白いことだと思う。「やっぱり」というときに念頭にあるのは、今作の後にリリースされた楽曲である。つまり、それ以降の作品に感じていた「スピッツの良さ」が、デビューアルバム「スピッツ」から既に感じられるということだ。
 
 歌詞について言えば、「空も飛べるはず」「ロビンソン」「チェリー」などの有名な曲に比べると、このアルバムの曲はだいぶ難解だし、世界観もより奇妙というか、一筋縄ではいかないものである。しかし、例えば「ニノウデの世界」の最初のフレーズ、《冷たくって柔らかな 二人でカギかけた世界》と、「ロビンソン」の《誰も触れない 二人だけの国》という歌詞の、根っこの部分は同じように思う。《僕》と《君》がいることが、なにより大事なことなのだ。
 また、作詞を担当しているマサムネさんの書く歌詞は、へんてこで不思議で、魅力に溢れている。スピッツの曲を聴くと、大げさかもしれないが、日本語の可能性を感じる。歌詞の意味が分からなくても、日本語としてとても面白いために、私にとって「意味が分からない」だけで終わらない。

 演奏自体は、今作の後にリリースされる曲に比べたらシンプルである。それでも、それぞれの曲の「スピッツらしさ」はこの頃から顕在だ。マサムネさんのためにつくられたような美しいメロディが耳に心地良い。改めて感じたが、ギターの使い方がとても上手い。そして彼らの曲の根源にあるのはロックやパンクであることを、私はこのアルバムから想像した。

 もう一つ、この曲順はまるでライブのセットリストのように思えた。「ニノウデの世界」で一気に聴き手を引き込み、「海とピンク」「テレビ」などでスピッツワールドを展開していった後、「タンポポ」「死神の岬へ」で少し休憩してから、「トンビ飛べなかった」「夏の魔物」で盛り上げて本編を終える。アンコールが「うめぼし」と「ヒバリのこころ」の2曲だ。アルバムとしての構成もとても良い。
 
 さて、散々褒めちぎったが、私がこの歌詞に「日本語の可能性を感じる」などと言っても、それ以上に「意味がよく分からない」という人はきっと多い。実際、これがリリースされた当時の売上はそれほど高くなかったようだ。ちょこっと調べてみたところ、このアルバムはオリコンチャートには入らなかった。単純に曲だけでもポップな曲からロックテイストの曲まであって楽しいアルバムなのだが、やはり「分かりにくい」というのは一つの短所になってしまうのだろう。
 それでも、前述した通り、このアルバムからすでに「スピッツらしさ」をひしひしと感じることができる。特に「夏の魔物」「ヒバリのこころ」は、今のスピッツの曲に比べても遜色ないほどだ。このアルバムが良い作品であることは疑いようがない。
 

 ベストアルバムなんかを借りてみて、スピッツというバンドについてより知りたくなったら、このアルバムを聴いてみることを勧めたい。

 おわり。
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特に音楽が好きです。好きなことやものについてばっかり考えてます。

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