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the band apart「Scent of August」(2011年)

 今回の感想文はthe band apart、通称バンアパのアルバムから一枚。個人的に夜になると聴きたくなる5thアルバム「Scent of August」です。

Scent of August

 彼らの卓越した演奏技術と、様々なジャンルの音楽を取り込みつつ、それらにとらわれない自由な音楽に魅了されている人も多いはず。今作は一聴すると飛び抜けている曲は少ないように思えますが、複雑なリズムやひょいひょいと表情を変える曲たちは一度聴いただけでは満足させてくれず、そうやって何度か聴くうちに気づけばバンアパの世界にどっぷり浸かっている、そんなアルバムです。


 ①photograph

 
 イントロのギターが遠くでゆらめく光のようで、アルバムが始まると同時に心をぐっと掴んで離さない。そのあと全員で音を鳴らした時の熱量も半端じゃない。間奏の前でのベースと、間奏のギターソロがものすごく好きです。アウトロのドラムも好み。アルバムの楽曲群でもずば抜けてキャッチーで、まさに名曲。初めて聴いた時の「こりゃすごい」という衝撃は忘れられません。

 ②Game, Mom, Erase, Fuck, Sleep
 複雑ながらも軽快なリズムで、聴いていてワクワクします。自然と体が乗り出すような一曲。英語なので歌詞カードを読まないと私には分かりませんが、歌詞が曲調とは裏腹に意外とシリアス。

 ③AG (skit)
 次の「light in the city」に繋がる、短い曲。次の曲名や歌詞を歌詞カードで眺めながら聴いていると、静かな街で明滅するような光の様子が思い浮かびます。CDなどで通して聴いていると、いつの間にか4曲目に入っていることもしばしば。

 ④light in the city
 「AG (skit)」の静かな雰囲気のまま入ると、一気にギアチェンジするように疾走感のあるギターが鳴り出し、イントロからドラムが荒ぶる、かっこいい曲。街に溢れだす光を分厚いバンドサウンドがそのまま音にしたような感覚を覚えます。最後は走り疲れて息切れしたかのようなギターを鳴らしながら、そのまま次の「Azure」へ。

 ⑤Azure
 何度も曲調を変えてくる楽曲群ばかりの今作においては珍しい、全編通して落ち着いた印象の曲。「light in the city」の雰囲気をなくさずに溶かしていくようなこの曲があるおかげで、次の「FUCK THEM ALL」がより映えてくるように思います。

 ⑥FUCK THEM ALL
 2曲目の「Game, Mom, Erase, Fuck, Sleep」のように、こちらもリズムの楽しい曲。「Azure」の静かな余韻から鳴り出すギターが良い。楽器隊それぞれが殺しあうことなく主張してくるバランス感覚がとても良く、それが間奏でのドラムやギターのソロを際立たせているように思います。途中で入るパーカッションの音も可愛らしく、曲のアクセントになっていて良いですね。

 ⑦Source K (skit)
 「AG (skit)」と同じく、次の曲「Taipei」の導入としての短い曲。「Taipei」のメロディと同じようなメロディに女性コーラスが入りますが歌の方のメロディが「Taipei」と違うので、同じようなメロディに違うコーラスが乗るんだなとちょっと感心。

 ⑧Taipei
 イントロからベースが目立っていてかっこいい。ミドルテンポでゆったりと体を揺らすのにちょうどいい一曲です。しかし3分半を超えたところで、そんな風にリズムに乗っていたこちらを裏切るようにがらりと曲調を変えてきて、そうくるかとニヤッとしてしまいます。

 ⑨bind
 Bメロで変化するリズムや、曲の表情が少し変わるアウトロから焦燥感が垣間見え、不穏な歌詞ともリンクした曲調が印象的。ところどころ歌メロをなぞるようなメロディアスなギターにも注目。

 ⑩Rays of Gravity
 結構シンプルなアッパーチューンですが、ここまで色々と手の込んだことをやってきただけに、このシンプルさがアルバムにおいて逆にスパイスとなる不思議な現象が。ノリが良く、素直なかっこよさがあります。Bメロのリズム、サビのメロディがとても好み。

 ⑪Karma Picnic
 曲の後半にはラップも入ってくる、ギターのカッティングが陽気なナンバー。歩きながら聴いていたら足取りが軽くなりそうな曲です。

 ⑫WHITE
 アルペジオで始まり、少しずつ少しずつ音の数を増やしていき、後半一気にボルテージを上げて最後はもう一度アルペジオで〆る、今作中でもかなり壮大な曲。このアルペジオが深々と降る雪のようで美しい。

 ⑬1000 light years
 ここまで来るとイントロでテンポを変えてきてもあんまり驚きはしなくなりますが、それでもかっこいい。間奏のキメや、アウトロでの怒涛のラッシュなどは聴いてて爽快。それだけに、歌詞を読んだ時に感じる切なさが胸にきます。

 ⑭Stay Up Late
 最後の曲だからと気張ることなく、気ままに鳴らしたようなサウンド、メロディでアルバムは終わっていきます。「WHITE」などじゃなくこの曲で終わるあたりから、the band apartのマイペースさを感じますね。



 これは「光」がテーマのアルバムかなと、何度か聴いて思いました。それも、「希望」とか「未来」とかいう抽象的な光ではなくて、もっと現実的な、街灯や星の光など、そういう身近に見たり感じたりすることができる光を音にして閉じ込めたようなアルバムのように思います。曲名にも入ってるしね。

 そんな今作は、「photograph」「light in the city」あたりの、音が洪水のように雪崩れ込んでくる曲と、「FUCK THEM ALL」「Taipei」のように軽快で弾むようなリズムの曲の2パターンを中心に構成されているように感じます。前者が特にアルバムにおける光のイメージに近いかもしれない。私たちの近くにあって、ともすれば私たちを呑み込みかねない光が音になったらまさにこういう音なのかもしれません。

 それにしても演奏技術が非常に高いバンドです。今作では特にドラムにビビりました。あまり派手なことはしないけれど、手数の多い職人のようなドラムですね。
 そして何よりバンドメンバーたちが楽しそうに演奏している様子が曲を聴いているだけで目に浮かびます。曲の展開も予測がつかず、何にもとらわれずに彼らのやりたいようにやっているんだろうなと。私たち聴き手以上に、the band apartというバンド自身がバンアパの曲を楽しんでいるのでしょう。そりゃこんだけ上手かったら演奏してて楽しいだろうなぁ。

 ストレートに音をかき鳴らした1stアルバム「K.AND HIS BIKE」とは対照的に、この「Scent of August」は1回聴いただけでは覚えられないような、キャッチーとは言いがたい楽曲ばかりですが、何度も聴くほどにハマっていく不思議なアルバムです。まさにスルメのような。
 また英語詞のために分かりづらいものの、歌詞もなかなか良いということに歌詞を読みながら聴いて初めて気付きました。やはり歌詞カードは大事です。つってもこのアルバムの歌詞カード、結構読みづらいんですけどね……。

 おわり。
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特に音楽が好きです。好きなことやものについてばっかり考えてます。

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