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androp「androp」(2015年)

 今回はandropの7枚目のアルバム、ついにそのバンド名を冠した「androp」のレビューです。ドラマの主題歌や三ツ矢サイダーのCMソングに起用され、バンド名はよく知らないけど実は曲は聴いたことがあったなんて人もいるかもしれません。

androp androp

 なかなか様々な曲が詰まった今作は、andropの今までのアルバムの中では実は異端なんじゃないかと少し思うわけですが、現在の彼らにとっては確かにこれがスタンダード。前作「period」で一度文字通り区切りをつけた後のアルバムとして、これ以上のものはない気がします。
 というわけで、続きより一曲ずつの感想に参りましょう。
 


 ①Yeah! Yeah! Yeah!
 

 三ツ矢サイダーのCMソングになった、まさに弾ける炭酸のようにポップなナンバーがアルバムの一曲目。現在のandropの向いている方向が内ではなく外であることを強く感じます。androp史上最高に爽やかなんじゃないかと思う。

 ②From here
 

 高速BPMで打ち鳴らされるこの曲はイントロのギターがシンプルながらかっこいい。バンドの熱量がひしひしと伝わる良曲です。緻密で細かいフレーズが印象に残る曲の多いandropですが、こういったダイナミックなギターも非常に熱くて良い。サビの早口な歌メロがなかなかキャッチー。
 動画はスタジオライブのもの。ライブでもこのクオリティで演奏できる彼らの演奏力には驚かされるばかりです。

 ③Shout
 

 前半は歌を聴かせ、1番のサビ終わりからバンドアンサンブルがぐっと盛り上がるという構成が素晴らしい。
 《「頑張れ」って言葉がナイフに変わるよ どうすればいいの?》など、歌詞も突き刺さります。そんな歌詞を歌う内澤さんの歌もいつにもましてエモーショナルで、最後のサビの《正しさ祈るより今を生きて》という部分の歌い方が特に良い。言おうとしている言葉の正しさについて言う前に考えるばかりでなく、言った後に失敗だと解っても、何度でもやり直していこうとする姿勢が大事なんだろうなと、それがここで歌われる《今を生きて》ということなのかなと思います。なかなかできることじゃないですけど。
 曲としての出来も良いし、個人的に歌詞が好きな、このバンドの中でも特にお気に入りの曲です。

 ④Answer
 これまでのandropと現在のandropが入り混じったような曲。複雑なギターフレーズとリズム隊の怒涛の演奏は相変わらずだが、よりライブ感が増したように思います。かっこいい。

 ⑤Paranoid
 曲の印象が冷たいために、《いっそ どこかへしまえたら 持ち運んで一緒にいれるのに》などの歌詞がなんだか不気味に聴こえる。ヤンデレ的な。乾いたドラムの音やサビのメロディーでの音の下げ方と歌詞が非常に合っていて、全体的に体温の低そうな感じがします。

 ⑥Star
 「Paranoid」から印象が180度変わって、アコギの音で始まる暖かい曲。《君は独りじゃない 側にいるよ》と寄り添うような歌詞も、《君》を束縛するような「Paranoid」の歌詞とは正反対。この二曲が並んでいることで、違いがより明確になりますね。

 ⑦Dreamer
 

 3分弱を一気に駆け抜ける、疾走感に溢れるストレートなロックナンバー。「Star」のしっとりした雰囲気から、勢い良くアルバム後半の始まりを告げるような爽やかさが魅力。

 ⑧Alternative Summer
 変則的なリズムの、バッキバキのスラップベースから始まるイントロが非常に印象的な曲。「Paranoid」に少し近い印象を受けつつ、それとはまた違った無機質な冷たさも感じます。

 ⑨Letter
 andropの曲には今までなかったヒップホップのような曲調で、彼らの引き出しの多さに驚かされます。

 ⑩Corna
 この曲の少しヘヴィなリフも、今までのandropからはあまり想像できない感じがしますが、ただトライしてみたというものではなく、ちゃんと「andropの曲」になっているのが良い。

 ⑪Ghost
 

 ストリングスとキーボードを叩く音が入ったバラード。そのかわりにギターを使わないことですっきりしたサウンドになり、内澤さんの透き通ったボーカルがより染み入ります。PVの最後の《嘘はない》という部分を歌わないという演出も素晴らしい。

 ⑫Run
 3rdシングル「Voice」から続いている最近のandropのモード全開、ライブで演れば全員で飛び跳ね合いの手にシンガロングもありの爽やかなナンバー。「Yeah! Yeah! Yeah!」などで感じた外側に向いているバンドのエネルギーが、《走れ! 走れ! 限りを決めるな》など前向きな歌詞からも伝わってきます。

 ⑬Songs
 歌詞、曲調ともに感覚としては「Star」に近いしっとりとしたバラード。この曲ではオルガンを使ったり、「Ghost」ではストリングスやキーボードの打鍵音を入れたりと、今作のバラードは取り入れる音を変えることで差別化を図っているみたいですね。ここでアルバムは終わりかと思いきや、次があります。

 ⑭You Make Me
 EDM調の曲。全英語詞であり、歌ももはや電子的な音の一部となっていて、へぇ、「Songs」というタイトルの曲のあとにこれを入れるのか、と思いました。意欲作。



 この「androp」という作品は、これまでのandropのアルバムのなかで一番カラフルなものに仕上がっています。ライブでの演奏をより想像しやすくなって、リスナーにこれまで以上に近づいた楽曲が増えたり、これまでなかった曲調の曲をやってみたりと、andropというバンドの今がよく分かるアルバムなのではないでしょうか。歌詞も歌も感情を曝け出していて、より人間的な作品になっているように思います。

 逆に、緻密に計算し尽くされたような楽曲が減ったことで、「andropってこんなバンドだったっけ?」と思う人もいそうですね。初期と現在のandropにおいての、アップロードしていったことによるちょっとしたズレみたいなものに違和感を覚えるのも分かります。私も最初に「From here」を聴いたときに思いました。が、これはこれでとてもかっこいい。

 ところで、最近レビューしてるバンドについてだいたい演奏技術が高いと言っている気がしますが、このバンドもまたそんなバンドの一つ。若さ故か、それぞれの楽器の主張が激しく少々散らかった印象も受けますが、同じ楽器でここまで情報量の多い楽曲を演奏できるバンドは同世代にはほとんどいないのではないでしょうか。ライブを観に行ったこともありますが、ライブでも寸分狂わず、むしろアレンジを加えてよりかっこ良く演奏する彼らには度肝を抜かされました。いやほんとに4人とも上手いですよね。とくにリズム隊がすごい。

 今作は「Yeah! Yeah! Yeah!」や「Dreamer」などの爽やかでとっつきやすい曲から、「Shout」「Ghost」と言った歌を聴かせる曲や「Paranoid」などのダークでシリアスな曲まで収録されており、andropを人に知ってもらうならまずはこれを渡すのがベストだろうなと思えるようなアルバムですね。
 今後もフェスなどでメインのステージに立つことは間違いないでしょうし、これからの活躍にも期待できるバンドです。

 おわり。
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Author:DA
特に音楽が好きです。好きなことやものについてばっかり考えてます。

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